製本にクリープ(ずれ)があると、セクションを折ったときにページがはみ出して、内容が切れてしまうことがあります。内容に影響を与えずにクリープを補正するには、ページ画像領域を綴じ方向に少しずつずらして、ページのドブまたは余白の幅を減らします。ドブと余白の幅を保持する必要がある場合は、画像をずらす代わりに少しずつ拡大/縮小することもできます。
製本のクリープ量は、折りの回数と用紙の厚さに影響を受けます。どのページが影響を受けるかは、綴じ型式によって決まります。
- 中綴じ製本の場合、折りの部分が厚くなると内側のセクションがはみ出すことがあります。
- 平綴じ製本の場合、クリープは各セクションの内側のページにのみ生じます。
注意:用紙リソースのウィンドウ枠の 自動ページずらし に関する参照は、その用紙を使用するすべてのジョブにページずらしが自動的に適用されるという意味ではありません。ジョブで[自動ページずらし]が有効になっている場合のみ、ページずらしまたはボトリングが自動的に適用されます。
ボトリング
ページ数、用紙の厚さ、または折り機によってページの傾きも生じることがあります。この傾きを補正するために、テンプレート ページの設定で[ページ回転(ボトリング)]を使用して回転を適用することもできます。また、特定のテンプレート ページに対し、プロダクトのページずらしの設定を変更することもできます。
環境設定ダイアログ ボックスの[出力]タブで、必要に応じて関連設定を指定します。
[ずらしたページを拡大/縮小]
デフォルトの拡大縮小タイプを選択します:[縦横比を保持](縦横比を保持して指定します)または[縦横比を無視(横のみ)](縦横比を変更して指定します)- [裁ちトンボをずらす]:クリープ用にずらしたページに合わせて裁ちトンボをずらします。
- ドブの中心を超えたらトリミング マークを削除
適用するずらし幅は、概算値または厳密な測定方法によって決定します。
ヒント:用紙の厚さの単位は μm です。マイクロメータで計測するか、用紙のメーカーに問い合わせてください。概算値: (シート数/4) x 用紙の厚さ シート数に使用する値は、綴じ型式によって異なります。平綴じの場合、セクションあたりのページ数です。中綴じの場合、プロダクトまたはパートあたりのページ数です。 厳密な測定方法 - 実際に使用する種類の用紙と折り機を使用して、折りのダミーを作成します。
- 精密機器を使用して、クリープ量を測定します。
- 一番外側のページの外側の端(小口側)と、一番内側のページの外側の端との差を測定します。これが必要なクリープ補正の合計幅になります。この幅を、一番内側または一番外側のページ、または内側と外側のページの間に適用できます。
計算した値を適用するには、[ジョブ]>[レイアウトの詳細]の順に選択します。
注意:ページずらしの値の設定や調整は、[パートのプロパティ]ウィンドウ枠でも行うことができます。このため、プロダクトのパートごとに異なるページずらしの値を設定できます。- [ページずらし(クリープ)]領域で、調整が必要なプロダクトを選択します。
- 任意:[スケール]チェックボックスをオンにし、余白を保持して画像を少しずつ拡大/縮小することもできます。
- ページずらしの方向を決定するには、[すべての面付けの場合に選択]リストから[左綴じ]または[右綴じ]を選択します。
- [内側]および[外側]ボックスで、一番内側のページの端と一番外側のページの端を移動する距離と方向を指定します。
- [スケール]がオフの場合、正の値を指定すると画像領域がページのノドに近づき、負の値を指定すると画像領域がページのノドから遠ざかります。
- [スケール]がオンの場合、環境設定の設定に応じて、正の値を指定すると画像領域が縮小し、負の値を指定すると画像領域が拡大します。
- 平綴じまたはカム&ゴーのプロダクトまたはパートでは、[内側]の値は各セクションの一番内側のページに適用され、このページが移動または拡大/縮小します。最大のセクションに指定の値が適用され、それよりも小さいセクションのページずらしは、綴じ処理後にすべてのセクションが互いに一致するように縮小されます。
- 中綴じのプロダクトまたはパートでは、[内側]の値は一番内側のページに適用され、このページが移動または拡大/縮小します。
- 特定のページのページずらしを無効にするには、テンプレート ページのプロパティを編集します。
たとえば、テキストや画像が隣接するページにかかる場合、ページずらし幅と裁ち幅をゼロにしてオブジェクトのずれや歪みを解消します。